【FL-UX User’s Voice vol.3】サッカーアナリスト山本兼史さん〜後編〜映像分析の取り入れ方と今後の展望

こんにちは。

前編中編に引き続き、サッカーアナリスト 山本兼史さんのインタビューをお送りします。

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(山本さん)育成年代を担当していた時は、自分達の映像を客観的に観た方が選手の成長スピードが早まると思って取り入れていました。選手はピッチに立っているので、どこにスペースがあるのか、どこから相手が来ているのかなどは映像を観ないとわからない部分があるので、映像を使ったフィードバックの方が選手に伝わりやすい気がします。

(RUN.EDGE)なるほど。トップのレベルにおける映像分析が必要な点はいかがでしょうか?

(山本さん)ちょっと専門的な話になるのですが、ちょっと前までは1つのシステムと12、13人のメンバー構成で1試合あるいは1シーズンを戦い切ることができたのですが、今はメンバーもよく変わるし、システムや選手配置も目まぐるしく変わるようになりました。そういったゲーム中の変化にいち早く気付くには映像分析は必要だと思います。もっと言うとシステムの変更というのは極めて表面的なものになっています。変更しないチームの方が少ないので。それよりも、システムが変わっても「変わらないもの」を見抜ける力が大事です。そうすると、システムが変更された理由も、自ずと理解できるものです。

(RUN.EDGE)現代のサッカーでは分析によってそういった攻防もピッチで起きているんですね。分析の重要性が理解できたような気がします。山本さんの分析に日頃から活用いただいているFL-UXに関して、気に入っている点や役に立っている点などはございますか?

(山本さん)まず、FL-UXで一番気に入っているところは映像に対して簡単にわかりやすいスケッチができるところです。

ラインメール青森山本さん_04

(FL-UXのスケッチ画面サンプル)

通常の動画編集ソフトだと結構なスキルと時間がかかりますが、FL-UXではシンプルなクリック操作でほとんどのスケッチができるのでめちゃくちゃ助かっています。

(RUN.EDGE)おっしゃっていただいた通り、FL-UXはスポーツの映像向けに特化したスケッチツールをご用意していますので、誰でも簡単に試合や練習の映像にスケッチできるようにしています。

(山本さん)スケッチで入れたエフェクトに関しては選手からの反応もよく、「わかりやすい」と好評です。映像にはエフェクトを入れないとほぼ効果がないと思っていて、というのも、選手はそれぞれにサッカー観を持っているので、全くエフェクトがないと各選手が違った受け取り方や着眼点で見てしまいます。選手みんなが同じ視点・意図で映像を理解できるようにするためにもエフェクトのわかりやすさは大切ですね。

(RUN.EDGE)ありがとうございます。他にもあったりしますか?(笑)

(山本さん)はい、タグ付けが簡単にできることやタグごとの集計もすぐにできる点も気に入っています。セットプレーを例に挙げると、FL-UXを使う前までは試合を全部見直してから、セットプレーのシーンだけを動画としてカットしてから、その映像をそれぞれ確認するという作業をしていました。ですがFL-UXを使うようになってからは、試合中にセットプレーのタグをつけられるようになったので、試合後すぐにセットプレーのシーンを集めて見返せるようになったので、相当な時短になっていますし、集計の精度も上がっているなと感じています。FL-UXのおかげで作業効率が10倍くらいになって寝る時間が増えたということを言っているスタッフもいました。(笑)

(RUN.EDGE)それは我々としても喜ばしい限りです。利用の頻度としてはほぼ毎日ご利用されているのでしょうか?

(山本さん)もう毎日使っています。

(RUN.EDGE)そうなんですね。ちなみにFL-UXに関する要望とかってありますでしょうか?

(山本さん)そうですね〜、結構すでに伝えてしまっていますが、逆にいうと思ったことはなんでも伝えさせていただいていますし、その要望の反映スピードが速いのは驚きです。現場の声を聞きながら、いいものは良いとすぐに判断して開発に取り入れていただけているのはありがたいです。

(RUN.EDGE)ありがとうございます。現在山本さんから頂戴しているご要望も近々反映される見込みですので、今後もぜひご要望いただければと思います。最後に、今後のサッカー界における分析の位置付けやサッカーの進化という観点でお話いただければと思うのですが、いかがでしょうか?

(山本さん)そうですね。あくまで想像ですが、このまま順調にいけば分析がもっと一般的なものになるんじゃないかなとは思います。具体的には、一昔前まではいなかったフィジカルコーチやGKコーチも今では当たり前のようにいますが、アナリストという役職もいて当たり前の存在になると思います。

(RUN.EDGE)なるほど、確かにGKコーチとかは割と最近できた役職のような気がします。分析がサッカーという競技そのものに与える影響という観点ではいかがでしょうか?

(山本さん)分析が試合に与える影響はどんどん増していくと思います。試合中の変化の応酬というか、相手が打ってきた手に対してこちらが新たな一手を打つというようなことの繰り返しで試合の中での駆け引きが高度化・高速化していくとは思いますね。この辺りはITの進化によってリアルタイムの分析が進んできたことも影響していると思いますね。

(RUN.EDGE)FL-UXのユーザー様ではライブ配信機能を使って映像をリアルタイムで分析しているユーザー様もいらっしゃいます。ロシアW杯から電子端末をベンチに持ち込めるようになりましたよね。

(山本さん)はい、リアルタイムで分析をしながらの手の打ち合いになると思っています。また、展望としては、分析に携わるにはFL-UXのようなツールを使いこなせるようになるのが当たり前になる気がしています。これまではツールを使えると「すごいね」みたいなレベル感だったと思うのですが、これからはそれが当たり前になるかなと。そして最終的にみんながツールを使いこなせるようになった先に行き着くところは、サッカーを観る眼になってくるはずなので、僕自身も日々勉強を続けていかないといけないなと思っています。

(RUN.EDGE)分析に関して世界と比較した時の日本の現状という部分ではどのように感じてらっしゃいますか?

(山本さん)単純にマンパワーは違うかなと。世界の大きなクラブになると、分析班を作ってその中で自チーム担当や相手チーム担当、データ担当など棲み分けをして活動していますが、日本ではそのあたりを1人でカバーしなくてはいけない状態なので、そこに対してもっとリソースが割けるようになると良いなと思っています。あとは、学生のインターンの方に分析に入ってもらうとかもあっても良いと思います。どうしても特定の大学やキャリアを経験していないとアナリストになれない状況が続いてしまっているので、各クラブが地域の大学とタッグを組むなどして、人材育成・交流を深めていってもいいのかなと思います。

(RUN.EDGE)確かに、アナリストになりたいけどどうしたらいいかわからない学生さんもいらっしゃいそうです。

(山本さん)はい、いろんな人に可能性が広がるようになってほしいなと思います。

(RUN.EDGE)その方が日本サッカー全体にもいい影響が出そうですね。最後に山本さんの今後の活動の抱負をお聞かせいただけますでしょうか?

(山本さん)まず、目の前の結果に左右されずに毎試合ベストを尽くしていきたいなというのはあります。どんな状況や条件であっても同じクオリティで仕事をすることは日々の目標です。中長期的な目標で言うと、日本でタイトルを狙えるようなクラブで仕事をしたいです。そのようなクラブで仕事ができる人というのはほんのひと握りだと思うので、それに相応しい人間になりたいと思います。

(RUN.EDGE)目の前のことに集中しつつ長期的な視野もお持ちでいらっしゃるんですね。本日は、長時間に渡りいろいろとお話しいただきありがとうございました。今後もご活躍をお祈りしております。
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山本さん、ありがとうございました!

これからも私たちは、FL-UXという分析ツールの作り手として、テクノロジーで山本さん、そして山本さんと同じようにサッカーを仕事にされている皆さま、サッカーを仕事にすることを目指されている皆さまのご活動を応援してまいります!


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それではまた!


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