【データでみる欧州サッカー】データで決めるヨーロッパ5大リーグ冬の王者

こんにちは!

いよいよクリスマス&年末ですね!皆さま、いかがお過ごしでしょうか。

今日は、「真のバロンドールは誰だ?」特集でxGデータ、xGAデータをベースとしてバロンドールを予想する記事を書いてくださったモリモトソウさんに、ヨーロッパ5大リーグの冬の王者(チーム)について書いていただきました!

この冬は、データに着目して色々なチームを見てみるのも面白そうですね!

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早いものでヨーロッパの主要リーグも折り返し。

そこで今回は、順位表を見るだけではわからない、データ上の王者を決めていきたい。

今回用いるデータは、以前の記事でも使用したxG(ゴール期待値)とxGA(失点期待値)を用いて比較したいと思う。

算出方法は、各国それぞれのリーグ内でxGからxGAを引いた数値の差(xGーxGA)が最も大きいチームとする。

この算出方法である理由は、サッカーの競技の本質である相手より一つでも多くゴールを奪える可能性が高く、ボールポゼッションの有無に関わらず試合を有利に進めている可能性の高いチームだからだ。

なお、答えがマイナスになるチームは、除く。

対象リーグは、フランス、ドイツ、イタリア、スペイン、イングランドの5大リーグ、早速見ていこう。
(*データは、2021年12月20日時点のデータです。)

フランス:レンヌ(1.89ー1.1=0.79)

なんとフランス、リーグアンで1位に輝いたのはレンヌだ。
リーグアンは、ご存知の通りPSGが2位と勝ち点差13以上も離して首位を独走中だ。

誰しもがPSGが1番だと想像したが、今回の方法で算出すると1.83−1.31で0.52しか実は差分がない。その上、実はレンヌとPSGではチャンス構築の力も大きく差はない。エドゥアルド・カマヴィンガをレアル・マドリーに売却したシーズンでも得点につながるチャンスを作れているのは、賞賛に値するだろう。

そんなレンヌの特徴は、特定の1人に依存しない、爆発力のある攻撃だ。

フォワードのマルタン・テリアとガエタン・ラボルドは、両者とも既に2桁得点間近。今シーズンは、5点以上を決める試合も2試合記録し、PSGには2−0で勝利しており非常に可能性を秘めたチームだ。

データ上では、申し分がないものを残しているだけに後半戦はゲームをものにする安定感さえ手にすることができれば、十分PSGを脅かす存在になり得るはずだ。

ドイツ:バイエルン・ミュンヘン(2.5ー1.12=1.38)

ドイツは、本命通りバイエルン・ミュンヘンがランクイン。

今シーズンから、新指揮官にユリアン・ナーゲルスマンを迎え選手個人の能力に、指揮官の戦術がかけ合わさってドイツのみならず、チャンピオンズリーグの舞台でも圧倒的な力を見せている。

そんなバイエルン最大の強みは、やはり得点力だ。

得点の期待値こそ、2.5点だが実際の1試合での平均得点3点を優に超えるハイパフォーマンスを叩き出している。

ロベルト・レバンドフスキは、試合に出れば点は取るしニャブリやサネといったウインガーも得点に絡む能力は申し分ない。

最後尾に、ノイアー率いる守備陣が構えている安心感も相まってどうにも止められない状態を作り上げている。新加入のマルセル・ザビツァーがフィットすればより穴のないチームになるだろう。

イタリア:インテル・ミラノ(2.28ー1.24=1.04.)

ユヴェントスが出遅れた今シーズンのイタリアでは、インテルが1位に。

今シーズンのインテルは、オーナー企業だった中国の蘇寧が財政危機となりロメル・ルカクを筆頭に主力を売却。シモーネ・インザーギ新監督の元で厳しい船出が予想されたがラウタロ・マルティネスが大奮闘。さらに監督のお墨付きであるホアキン・コレアもシーズン序盤から途中出場ながらアクセントとなり、ここまで首位と予想外の大奮闘。

ACミランから禁断の移籍を果たしたハカン・チャルハノールもフィット。
特にローマから加入したエディン・ジェコは、スタートダッシュに大きく貢献。ここまでの充実したシーズンを過ごせているのは、彼のおかげと言っても過言ではない。

また、守備陣は、デ・フライとミラン・シュクリニアルが抜群の安定感を誇り、長きに渡りゴールを守り続けるハンダノビッチの貢献も見逃せない。

一昨シーズンまでは、ユヴェントスが9連覇を果たしていたセリエA。久しぶりにユヴェントス以外のクラブで連覇するクラブが現れるか。

スペイン:レアル・マドリード(2.09ー1.34=0.65)

スペインは、レアル・マドリードが納得の1位となった。

カルロ・アンチェロッティ率いるチームは、ライバルが軒並み低調な中でも抜群の安定感だ。

戦術的に新しい発見を毎節届けてくれるようなチームでは決してないが、適材適所で輝くチームを作るのは、まさにアンチェロッティの十八番。
セルヒオ・ラモス退団後のチームをうまく操縦している。

カリム・ベンゼマがゴールもアシストもできるだけでなく、最近はヴィニシウスJrの決定力が向上。ベンゼマ以外の選手がゴールを取れるようになったことで、チームの戦績も安定してきた。

さらに中盤では、ルカ・モドリッチがまだまだ健在。守備陣も堅実なセーブを見せるクルトワや、ビルドアップ能力で貢献するダヴィド・アラバが、チームを引き締める。昨シーズンに引き続き、セビージャが追いかけて来ている首位戦線だが、もし勝ち点で今後突き抜ければ、チャンピオンズリーグに向けたターンオーバーも含めて一気に今シーズンの複数タイトル獲得が見えてくる。

セルヒオ・ラモス退団という強烈な移籍があった次のシーズンだけに、ぜひともタイトル獲得でその影を払拭したい。

イングランド:マンチェスター・シティ(2.56ー0.78=1.78)

イングランドは、マンチェスター・シティが1位に。

今シーズンのシティは、とにかく失点数が少ない。ボールを保持するチームスタイル故に、相手に与えるチャンスそのものが少ないこともあるが、昨シーズンあたりからボールを持つことに固執しないゲームを見られており、
チームとしてより成熟した大人のチームになった印象だ。

守備面では、やはりルベン・ディアスの加入が大きい。プレー面だけではなく、統率も含めて最終ラインのリーダーは、彼で決まりだろう。

一方でこれだけのデータを記録していても物足りないのが、攻撃面でゴール期待値2.56に対し、1試合の平均得点は2.44と期待値を下回っている。

直近の試合でも、フィル・フォーデンやガブリエル・ジェズスなどが流動的に動き回るゼロトップを採用しており、ストライカーの不在が顕著だ。

アーリン・ホーランの獲得も噂されており、ゴールゲッターさえこしらえれば悲願のチャンピオンズリーグ獲得も現実的な目標となるだろう。

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モリモトソウさん、ありがとうございました!

欧州CLの決勝トーナメントも来年2月に始まります。「まだまだ先かな・・・」と思っていてもきっとすぐです。より観戦を楽しむため、色々な情報を仕入れて予習しておきたいですね!

ちなみに、xGデータ、xGAデータについて、モリモトソウさんはこちらのサイトを参考にしていらっしゃるそうです。よかったら皆さんもチェックしてみてくださいね。

それではまた!

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