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【極めて強気の守備ブロック】グラスナー率いるフランクフルト5-2-3戦術分析〜後編〜
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【極めて強気の守備ブロック】グラスナー率いるフランクフルト5-2-3戦術分析〜後編〜

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こんにちは!

さて、今回も前編に引き続き、とんとんさんによるフランクフルトの戦術分析をお送りします!
(前編をまだ読んでいない方はぜひ、こちらからチェックしてみてください。)

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■カウンターへの移行
フランクフルトのカウンターの起点はCFのボレだ。有効なカウンターの多くは、ボールを奪ってから最初のパスをボレに当てる。

ボレは非常に優秀なCFだ。身長は174cmと比較的小柄ながら、守備時は的確にパスコースを消し、プレスバックも怠らず、攻撃においてはワンタッチゴールだけでなく正確なレイオフパスを駆使したポストプレーで溜めを作り攻撃にリズムを生む。トゥヘル・マインツ時代の岡崎慎司のような役割を果たしている。

ボレにボールが渡れば、多くの場合敵CBがアプローチに出てくるため最終ラインの人数が減りスペースを作りやすくなる。鎌田とリンドストロームのシャドーコンビでボレからの柔らかいレイオフを受ける役割、空いた最終ラインの隙間に抜け出す動きをこなす。役割がはっきりしているため無駄な思考とそれに費やす時間が削減され、ボレを中心として距離感も保たれる。
空いた最終ラインのギャップを埋めようとDF陣が中央に絞れば、スピードがありシュート精度の高いコスティッチと、テクニックのあるクナウフといったWB陣が空いた大外を駆け上がっていく。
高い位置でボールを奪取することのできる守備、3トップが前線に構え味方の守備の状況に応じて前方に残ることができる守備であるという、守備フェーズからカウンターに移行しやすいという利点も見逃すことはできない。

■攻撃戦術

遅攻においてまずカギを握るのがCBのヒンターエッガーだ。長いサイドチェンジも蹴ることができるが、それ以上に僅かな隙間とタイミングを逃さない左脚の楔のパスが魅力だ。前線3枚は全員がレイオフパスで攻撃の展開を促すことができるため、相乗効果が生まれている。楔が入ればあとはカウンターと同じく、3トップの距離感と攻撃性能の高い大外WBという配置を活かしてゆったりと攻撃を展開していく。3トップのポジションは特に固定化されておらず、DFライン手前に入る選手、裏に抜ける選手でレーンを被せることで敵に2択を突き付けるような攻撃が行われる。

EL準決勝1stレグ・ウエストハム戦においては、5-2-1-2で守る相手に対して「2」の脇と間を突くために2シャドーが下がりCHのローデが位置を上げるポジション変更を実施する等、状況に応じて配置を調整する柔軟性を見せた。

■ウィークポイント
フランクフルトのウィークポイントは、後半戦の戦い方だ。非常に体力の消耗の激しい守り方となるため、後半戦はシャドーを中心に全体の守備位置を下げて戦う。守備位置を下げればカウンターに移行するのも難しくなるが、それ以上に細かなパスワークからピンチを迎えるシーンが増える。特にサイドに人数をかけられ、1人でサイドを担当するWBを狙われるとあっさり崩されてしまうことも少なくない。
そのため、前半戦で確実にリードを奪いたいというのがフランクフルトの本音だろう。高い位置での守備からの速攻が持ち味であり、遅攻自体にそれほど破壊力があるわけではないため、先制点は非常に重要となる。負け癖がついてしまうと後半戦の戦いはさらに苦しくなるだろう。
またその遅攻について、ボールを奪取されてから陣形が崩れた状態でカウンターを迎えるシーンが少なくない。ポジションチェンジも交えた攻撃で、CHとWBがバランスを崩しリスク管理できない状態となると一気にゴール前に運ばれてしまう。
CHの守備におけるパフォーマンスが非常に重要となるが、ELベティス戦におけるカナレスやフェキルのように、技巧派プレイヤーに躱されてしまう等中盤での守備が機能しないと致命傷となりかねない。

■おわりに
グラスナー率いるフランクフルトは強気な守備とそこからの速攻が魅力のチームだ。精神的な部分となるが、バルセロナやウエストハム相手でも「点を取るため」の守備を遂行できる勇気は、どのチームにも備わっているものではない。
どのポジションにも実力者が入るフランクフルトは非常にバランスの良い構成となっている反面、特にCHのパフォーマンスが非常に重要となる危うさも備えたチームだ。
ベテランの域に達しているプレイヤーは特段心配の必要はないかもしれないが、エンディカ、ソウ、リンドストローム、ボレ、鎌田といったプレイヤーはビッグクラブへの引き抜きの可能性もある。そんな中でも優れたプレイヤーを後釜に据えられるのはフランクフルトのクラブとしての強みでもある。
今後のチームがどのように変化していくのか注目だ。

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とんとんさん、ありがとうございました!

いかがでしたでしょうか。
5月19日のEL決勝も楽しみですね!

さて、この記事に続けて、昨日5月8日のボルシアMG戦でも同点ゴールへのアシストで活躍した鎌田大地選手に着目した記事をとんとんさんに書いていただきましたので、そちらもぜひご覧ください。


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それではまた!

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