
「鳥の眼」で見る欧州サッカー〜板倉滉の移籍先「ボルシアMG」の戦術的特徴とは?〜
こんにちは!
FL-UXマーケティングチームです。
さて、今回も、とんとんさんによるボルシアMG特集をお送りします。前回の記事では有力選手、要注目選手にフォーカスしていただきましたので、今回はチームの戦術的特徴について紐解いていただきます。
それでは早速、お願いいたします!
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戦術的特徴
🥅 @MarcusThuram sliding in for his second @Borussia_EN goal in as many #Bundesliga games! 👍 pic.twitter.com/TVDpDrxmG9
— Bundesliga English (@Bundesliga_EN) March 10, 2022
ここまでは選手個人にフォーカスしてきたが、ここからはチーム、集団としてのボルシアMGにフォーカスしていく。
ボルシアはゆったりとしたビルドアップで前進し、中央での細かなパスを駆使して攻撃を展開する。守備においてはセンターサークル先端付近を基準にブロックを築いて敵の攻撃を受け止める。そんなチームが昨季採用した4-3-3と5-3-2の機能性をそれぞれ見ていく。
まず4-3-3はバランスをとることができずにほとんど機能しなかった。世界屈指の足元の技術を誇るゾマーがビルドアップで大きな貢献を見せるものの、選手個々のポジショニングはバラバラであった。
ホフマンやプレアがWGに入る場合、中央に絞った位置をとる傾向がある。ホフマンはCFの背後を突けるように、プレアは中盤でのパスワークに参加でいるように、だ。
✌️ Jonas Hofmann bagged a #Bundesliga brace for @Borussia_EN on MD32! ⚽️⚽️ pic.twitter.com/ATeuyg5m3X
— Bundesliga English (@Bundesliga_EN) May 6, 2022
実際得点につながったケースもあるものの、WGが絞る反面SBはさほど高い位置をとることをしないため幅をとる選手が不在となった。IHが低い位置をとることでSBを押し上げることもできたはずだがそういった動きも少ない。DFラインの選手も動き直しが遅く、つなぎの意識の非常に強いゾマーがロングボールを選択する状況が多かった。
前線にはロングボールの受け手となれるテュラムやエンボロが起用されるものの、セカンドボールを拾う仕組み等は存在せず、戦術として機能していなかった。
実際得点につながったケースもあるものの、WGが絞る反面SBはさほど高い位置をとることをしないため幅をとる選手が不在となった。IHが低い位置をとることでSBを押し上げることもできたはずだがそういった動きも少ない。DFラインの選手も動き直しが遅く、つなぎの意識の非常に強いゾマーがロングボールを選択する状況が多かった。
前線にはロングボールの受け手となれるテュラムやエンボロが起用されるものの、セカンドボールを拾う仕組み等は存在せず、戦術として機能していなかった。
今後採用が見込まれる4-2-3-1において、ファルケがどのようにビルドアップを仕込んでいくのかは注目ポイントとなる。
守備においてはプレッシングのタイミングが個々人でバラバラとなり、奪いどころが定まらなかった。リーグ3位という失点数に如実に表れている。
5-3-2に目を向けると、こちらはビルドアップに一定の型があり、それに合わせて選手個々がイレギュラーとなるアイディアを出すことができ、機能していた。
DFラインの選手はCHにボールを当てることを意識的に行う。特にバイアーやベンゼバイニだ。CHに一度当てることで敵を動かし、空いたスペースを前進していく。

頻繁に見られた動きが、サイド低い位置に降りる前線の動きだ。これは主にプレアやシュティンドルに見られる動きとなっている。彼らはサイド低い位置と、敵DF-MFのライン間を出入りすることで敵の守備陣にスペースを空けるよう仕向けると同時に味方のポジションチェンジで敵の守備に混乱を生むよう働きかけた。
今までこういった動きを見せるのはシュティンドルくらいであったが、そこにプレアが加わったのもチームとして大きな部分であり、プレアの大きな成長が見られる。
🚀 @GPaciencia9's second-half stunner was only enough to secure a #Bundesliga draw for @Eintracht_eng at home to @Borussia_en. 🤝 pic.twitter.com/6uoVM2aXl6
— Bundesliga English (@Bundesliga_EN) May 8, 2022
※1点目のゴール
The assist through the eye of a needle. 🪡 🤏
— Bundesliga English (@Bundesliga_EN) April 14, 2022
Ice-cold finish. 🥶
A wonderful goal to set @Borussia_EN on the way to an impressive away win! 👏 🐎 pic.twitter.com/WbtQCbfeMn
A beautiful #Bundesliga effort to mark the @Borussia_EN man's birthday - have a good one, @Alassane_Plea! 🎂 pic.twitter.com/hxgW4Rhp12
— Bundesliga English (@Bundesliga_EN) March 10, 2022
彼はワンタッチパスも得意としており、ポジションチェンジと共にそれを駆使することで攻撃にリズムを生むことのできるプレイヤーに変貌した。
例えばプレアが右サイド低い位置に降りた場合右CBバイアーがサイドに流れて走力に長けたライマーがハーフスペースに絞る、バイアーがプレアと入れ替わるようにハーフスペースに入る、ホフマンが抜け出しを図る等の連動が生まれる。アクションを起こすことのできるプレアは、それに連動できるホフマン、バイアー、ノイハウス等を一層輝かせることができるのだ。
中央での細かいパスはエンボロ、ノイハウス、プレア、シュティンドル、ホフマン等得意とする選手が多く、パス&ムーブでチャンスを演出する。無理なターンやドリブルをせずにレイオフパスを選択できるプレイヤーが多いこともこの攻撃手法がとられる要因だ。
⚖️ @Thuram._17 tilting the scales back in @Borussia_en's favour on MD24.#Bundesliga pic.twitter.com/xttvNt6yDg
— Bundesliga English (@Bundesliga_EN) March 1, 2022
最前線のエンボロ(南野所属のモナコへの移籍が決定)やテュラムはフィジカルとスピードを兼ね備えたプレイヤーだ。エンボロはより万能タイプで、様々な攻撃局面で効果的に機能していた。テュラムはエンボロほど万能では無いが、シーズン序盤のバイエルン戦でCBのウパメカノを圧倒したように高い実力とポテンシャルを秘める。
守備は5-3-2でセットされる。前線の5枚は中央へのボールを警戒してサイドに誘導、ボールサイドのWBが中盤脇まで前進して攻撃の阻止を図っていく。マルコ・ローゼ時代のような勢いあるプレッシングは見られず、タイミングが合わずに受け身になってしまうチームであるが、この5-3-2システムであればある程度全体で疎通が図れている。
DFラインはさほど統制が取れておらず、サイドには守備に粗のあるプレイヤーも起用されるため裏に抜け出されるシーンも目立つが、エルヴェディや守護神ゾマーを中心にギリギリでカバーして事なきを得ている。
ダニエル・ファルケが指揮官に就き、昨季終盤に機能し始めた3バックシステムの採用が白紙になる可能性も高い。それでもファルケの戦術とボルシアの選手の個性の融合により生み出される新たな機能美に期待がかかる。
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とんとんさん、ありがとうございました!
いかがでしたでしょうか。
本日7月23日22:30キックオフの対レアル・ソシエダ戦も楽しみですね!
こちらのnoteのマガジン『「鳥の眼」で観る欧州サッカー』では、2022-2023 シーズンも引き続き、欧州サッカー関連のマッチレビューや戦術分析をお送りしていきたいと思いますので、よろしければぜひフォローをお願いいたします。
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