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「鳥の眼」で観る欧州サッカー〜【技巧派達によるプレッシング戦術】マーシュ・リーズの4-2-3-1戦術分析〜後編〜

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こんばんは!
FL-UXマーケティングチームです。

さて、今回も、とんとんさんのご寄稿でお送りしております『「鳥の眼」で観る欧州サッカー』シリーズをお送りします。
今回は、前編に引き続き、リーズ・ユナイテッドの戦術分析・後編です。

それでは早速、とんとんさん、お願いいたします!

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■攻撃戦術
リーズは攻守において「狭く・早く」である。時間をかけずに、局所的に数的優位を作って攻撃を行う。守備において狭く、早く守ると、その陣形を活かして攻撃も狭く・早く行われる。

まずは遅攻についてみていく。遅攻においてポジションチェンジのトリガーとなるのがCHロカだ。彼は左CBとSBの間に降りるプレーが多い。相手のシステムが噛み合ってプレスを受けやすい時はなおのことだ。マンツーマンの傾向が強いブライトン戦の序盤は、大きく広がる2CBと彼のポジション取りでブライトンのプレッシングを空転させて見せた。

彼のこの動きに対して周りが連動してポジションを移動するが、初期段階でSBはそれほど高い位置をとらない。2列目のプレイヤーは敵の中盤ブロックの間から顔を出すプレーを見せる。テクニックに優れたプレイヤーが多く、狭いエリアでもボールを捌くことができるからだ。特にアーロンソンは頭抜けている。DF陣はここへの楔を目標とし、相手が中央に絞った際に初めてSBが少しずつ位置を上げてサイドの選択肢を見せていく。2列目にボールが入ると、フリックやレイオフ、後方へのボールタッチで守備ブロックを乱す。
サイドのエリアに関してはトップ下(ロドリゴやアーロンソン)が使うことも多い。流れて受ける、もしくはSHとSBの間に入る等だ。この動きで縦の階層を作りやすくなり、小さなギャップに入り込める選手が増える。逆サイドのハーフスペースに降りて受ける動きは、別の展開を促すうえでも効果的で、変化をつけることができる。

幅を守るチームに対して、1点突破する「魚鱗の陣」のようなイメージだ。選手間が近いため、空いたギャップに次々と潜り込んでいきやすい。

いずれにせよ中央で密集を作る動きがベースであり、仮に奪われてもSBがそれほど高い位置をとらない上に既に密集が出来上がっているためすかさずプレスをかけて奪い取ることも可能だ。守備と攻撃が連動していて、境目のないシームレスな構造である。

より中盤の密集を生み出すことができるのはロカが降りない時だ。ロカが降りる分だけポジションチェンジが増えるうえ中盤の枚数が減るからだ。単純に相手のプレスが早くポジション変換をできない時や、ネガティブ・トランジションで中央が手薄になるリスクのある時は、セカンドボールへの反応の速いロカが中盤から外れる3バック変換は控えられる。

例えばチェルシー戦は早い段階でスターリング、ハフェルツ、マウントにより2CB+ロカが捕まったことで、ポジションチェンジを行わずロングボールが増えることとなった。密集でのセカンド回収と、テクニックのある前線メンバーでの速攻に活路を見出したのだ。この戦い方でバタバタとした展開とならないのは単純に前線のメンバーのボールコントロールが上手いからだ。スピードと守備能力にも優れた現在のメンバー構成は、マーシュのサッカーと完全にマッチしている。

またこういった状況でパスをつなぐ場合、SBがプレッシングに晒される傾向が強くなる。リーズの場合、SBに対してCHがほぼ平行のサポート、SHがワイドに開き、CFもしくはトップ下がハーフスペースに入ることでボールの逃げ場を確保する動きを見せる。サイドに人数を割き、一点突破を目指していく。ここも、最悪引っかかった場合に手薄にならないように人数を割くことで失点の脅威を抑え、かつ素早いボール奪取で速攻での得点チャンスを作り出そうというシームレスな構造となっている。

ファイナルサードではクロスボールも利用していく。ゴール前の選手間の距離が近いため、各選手が交差する動きもみられる。特にファーからニアに流れてくる選手への対応は、ディフェンダーにとって非常に難しいものとなっている。
密集を作ることが攻守のキーポイントになるが、この密集と散在のバランスをとるのが難しい。攻撃においてはワイドに広がってビルドアップを行うと守備に回った際の機能性が落ちるという点から、大きく広がることをさほどしない。そのため現状ビルドアップは前線のテクニックに頼る部分が必然的に大きくなり、課題の一つとなっている。

■おわりに
リーズの最大の武器はプレッシングであるが、そこで作り出される密集を攻撃の面でも活かし、それをまたネガティブ・トランジションでも活かすという形で、各局面がシームレスに相乗効果をもたらすような設計となっている。
攻守の局面がシームレスであるということは、それだけプレイヤーには攻守両面で貢献できるマルチな能力が求められる。特に前線のプレイヤーはテクニックと守備能力を兼ね備えたプレイヤーでなければならない。
そういったチーム構造と選手構成の中で展開される現在のサッカーは上述の通り機能性が高く興味深い内容となっている。
ビエルサの解任により大きな岐路に立つチームの今後の活躍と進化に要注目だ。
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とんとんさん、ありがとうございました!


こちらのnoteでは、今後もとんとんさんにご協力いただきながら、新シーズンも開幕した欧州各国リーグの戦術分析をお送りしていく予定です。よろしければぜひフォローをお願いいたします。

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それではまた!


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