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真のバロンドールは誰だ?〜ディフェンス編〜

こんにちは!

12月になりすっかり冷え込み、朝晩のトレーニングに出かけるにも気合いが必要になってきましたね。皆さま、いかがお過ごしでしょうか。

今日は、前回のストライカー編に引き続き、モリモトソウさんに執筆いただいたバロンドール特集の後編、ディフェンス編をお送りします。

11月29日に発表された2021年のバロンドールは、メッシの7度目の受賞という結果となりました。発表から10日が過ぎた今も世界中のメディアやサッカーファンの間でメッシを讃える声や様々な声を耳にしますが、皆さんはいかかでしたしょうか。

こちらの記事では、xGA(失点期待値)という客観性のあるデータを元に、独自に、「真のバロンドール」(=今季活躍した選手、今後の活躍に注目したい選手)をピックアップしていきます。

もちろん、特定の選手やチームを応援するものではありません。ぜひ、皆さんがこれから海外サッカーを楽しむ時の参考や、話のネタにしていただけたら幸いです。

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メッシの受賞で幕を閉じた2021年のバロンドール。
PSG加入後は苦戦が続いているものの、バルサ在籍時の今年の前半では、コパ・アメリカのタイトル含めてバロンドールにふさわしい成績も残しており、一時期ほどのインパクトがないもののさすがメッシ、壁は高いなと感じさせられます。

さて、今回は攻撃陣が受賞することの多いバロンドールにおいて
今回の候補者の中からゴールキーパーとディフェンダーに絞ったディフェンス部門で、独自にバロンドールを決めたいと思います。

今回は、ディフェンスでの存在感が物を言う90分間での平均失点数、xGAという指標に注目して選出をしてみたい。
*データは、2021年に限定しています。

xGAとは

xGAは、聞き馴染みのあまりない言葉ですが、前編で取り上げたxG(ゴール期待値)の逆で失点期待値という言い方をします。
簡単に言えば、その選手が90分間出場すると大体何失点くらいを喫しそうか、が表されています。
強豪チームの場合は、平均で1は少なくとも切っておきたい指標で、ディフェンスリーダーの選手の場合、0.6台を記録するなどディフェンスの中でもチーム戦術での存在感の大きさなどが如実に現れやすい指標になっています。

さて、もっとも失点しない選手が誰なのかランキング形式で見ていきましょう!

6位:シモン・ケアー(xGA:1.46)

6位は、ACミランが誇るディフェンスリーダーであるシモン・ケアーだ。
今シーズンの数値こそ悪いが、昨シーズンは出場試合では欠場時と比べ0.3以上も失点数が少ないというデータを残すなど、ロッソネロでは押しも押されぬ大黒柱だ。
今シーズンも最終的なスタッツが昨年並みに戻れば、ACミランに久しぶりのスクデットをもたらすことも難しくないだろう。

今夏に行われたUEFAネーションズリーグでは、試合中に循環器系のトラブルで倒れてしまったエリクセンに対して動揺する素振りも見せず、
メディカルチームが駆けつけるまでの救護を行い、動揺するスタジアムの中でエリクセンを救ったナイスガイだ。

5位:レオナルド・ボヌッチ(xGA:1.25)

5位は、レオナルド・ボヌッチだ。ユヴェントスの中では、高精度なフィードキックを武器にビルドアップで重要な役割を担うことの多い選手だが、特に対角線上に出すロングフィードは、芸術的な美しさを感じることもある。

クラブや代表でもコンビを組むことの多いキエッリーニとは、安心と信頼を感じさせる連携で守り、ディフェンダーとしての能力がずば抜けているキエッリーニと、

ビルドアップの得意なボヌッチは、互いの特徴を補完しあうナイスバディだ。

ミランに、移籍した一年間では主将を務め、すぐにユヴェントスに出戻ったこともあり好感度が低いボヌッチだが実力は確かだ。

息子さんは、同じ市内のトリノを応援しており、親子間ではトリノダービーが勃発している。

4位:ジョルジョ・キエッリーニ(xGA:1.06)

4位は、イタリアが世界に誇る衰え知らずの守備職人キエッリーニだ。
前述したボヌッチとのコンビが、世界最高レベルなのは周知の事実だがこの選手は本当に守備がうまい。

単純なスピードでは、アタッカーの選手が上回るもののドリブルのコースを外に誘導しながら味方の帰陣を待つなど単独で無理に守り切ろうと判断することも少なく、
まさに経験値も含めて守ることは世界最高峰のレベルをキープしている。

近年は、怪我が増えてきたことにより出場時間も減らしているが、出ればさすがのパフォーマンスを見せることもあり、まだまだ活躍を期待したい選手である。
イタリアが、ワールドカップ出場のプレーオフに回ってしまったためまだまだ彼の仕事は終わらない。

3位:ジャンルイジ・ドンナルンマ(xGA:1)

3位は、今回唯一のゴールキーパーであるドンナルンマ。
ACミランでのプロデビュー時は、当時まだ16歳と高校生の頃からビッグクラブのゴールマウスを守ってきた強靭なメンタルの持ち主。
今夏のUEFAネーションズリーグでは、決勝でのPKストップなど大舞台で大活躍を披露し、見事MVPを獲得し、PSGへ移籍した。

PSGでは、ケイロル・ナバスと併用という形をとっておりレギュラーを確保するには至っていないがまだまだ22歳とこれからの選手である。
従来の武器であるシュートストップに加えて、ビルドアップ能力にもより磨きをかけることで同じジャンルイジであるブッフォンのように長くイタリア代表のゴールマウスを守って欲しい選手だ。

2位:ルベン・ディアス(xGA:0.54)

惜しくも、2位だったのはマンチェスター・シティのディフェンスリーダーのルベン・ディアス。

おそらく今回のディフェンスのノミネート選手の中で、バロンドールを選ぶのであれば出場時間も加味して、彼になるだろう。

一昨シーズン、優勝を逃したマンチェスター・シティのディフェンスラインは相次ぐ離脱選手や、それに伴うフェルナンジーニョのセンターバックへのコンバートにより、アンカーで相手の攻撃をストップできずにカウンターを受けるなど守備面で多くの問題を抱えていたが、彼の加入で大体のことが解決した。

まだ、20代の中盤に差しかかろうという年齢からは、想像できないような落ち着きとキャプテンシーや安定感を兼ね備える。

彼の加入前は、ディフェンスリーダーであったラポルトもベンチを温める回数が増えたのは、間違いなくその影響だろう。

彼の加入前までは、いまいちなシーズンを過ごしていたストーンズを復活させるなど、組んだ相方のパフォーマンスを引き上げるディフェンスリーダーとしても確かな素養を見せている。

今年の9月には、ガールフレンドと別れシティ加入後の最大の難局を迎えたがパフォーマンスは落ちず。

これから長い間シティの最終ラインに君臨してくれることを祈るばかりである。

1位:セサル・アスピリクエタ(xGA:0.46)

1位は、なんとアスピリクエタだ。長年チェルシーのバックラインを支えセンターバックもサイドバックもどこでもお任せあれ、だ。

ファンからの人気も非常に高く、チアゴ・シウヴァとともにベテランの実力者として、模範になりつつチームにも貢献する姿は非常に頼もしい。

そんなアスピリクエタの最大の特徴は、安定感だ。

怪我をしない鉄人ぶりに加えて、ディフェンスラインならどこでも堅実に平均点以上のパフォーマンスを披露。

圧倒的な身体能力などで相手を蹂躙するタイプではなく、派手さにはかけるが一つ一つのプレーには、思わず感心するほどブレが少ない。

チームで、アスピリクエタが出ているポジションは弱点にはならない点が監督交代の多いチェルシーで起用され続けている一因だろう。

最近のチェルシーは、3バックを起用することからアスピリクエタの持ち味も発揮しやすく、堅守を誇るトゥヘルチェルシーのディフェンスの核として、また若手の見本としても活躍を期待したい選手である。

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モリモトソウさん、ありがとうございました!

欧州CLは12月9日にグループリーグが終了、決勝トーナメントを控える一方で、来月には各リーグの冬の移籍期間も始まります。年末年始にかけて、チームや選手たちの動向から目が離せませんね。

それではまた!

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