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「鳥の眼」で観る欧州サッカー〜欧州で最もロングボール戦術に長けたチームはどこだ!?〜

こんばんは!
FL-UXマーケティングチームです。

早いもので、9月も今日で終わりですね。皆さま、いかがお過ごしでしょうか。

さて、本日も大好評いただいております、とんとんさんによる『「鳥の眼」で見る欧州サッカー』特集をお送りいたします。普段は特定のリーグやクラブにフォーカスしていただくことが多いこの企画ですが、今回は、「ロングボール戦術」というテーマで、欧州リーグを横断して分析していただきます!

それでは早速、とんとんさん、お願いいたします!

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現代サッカーにおいて相手の守備を効率良く崩すためのビルドアップの質は欠かせないものとなっています。それと競るようにプレッシング戦術も進化している中、プレッシングに対応するためのロングボール戦術を各チームが取り入れるのは必然の流れです。

今回はそんなロングボールに関するデータを用いて、欧州でどのチームがロングボール戦術に長けているのかを探っていきます。

※データはすべてWhoScoredのデータとなります。
ロングボール=25ヤード(22.86m)以上のパスとなります。
各国リーグデータは9/16時点、成功数トップ20チームのデータは9/17時点のデータです。
各国リーグ戦でのデータとなります。CL等カップ戦でのスタッツは含まれていません。(別の機会で取り上げるかもしれません)

早速ですがランキングを見てみましょう。
今回はデータのみに着目し、やや乱暴ではありますが「ロングボール戦術に長けている」=「ロングボールの精度が高い」とします。

ランク:ロングボール成功率のランク
チーム名の横の数字:1試合当たりのロングボール成功本数のランク
パス本数:ショートパスを含む1試合あたりのすべてのパスの本数
成功数・失敗数:1試合あたりのロングボールの成功・失敗数
ロングボール比率:すべてのパスにおけるロングボールが占める割合
成功率:ロングボール成功率

リーガ・エスパニョーラ

リーガ・エスパニョーラ

リーガ・エスパニョーラはレアル・マドリード、バルセロナが抜きんでています。レアル・マドリードはロングボールの本数・比率が非常に低く、要所で的確に使っています。バルセロナは幅を使ったサイドチェンジも多く、ロングボールで展開する攻撃は大きな選択肢のひとつとなっています。
ビジャレアルも効果的にロングボールを織り交ぜ、セビージャも比較的高い成功率を記録する中、アトレティコ・マドリードは成功率が低くなっています。

プレミアリーグ

プレミアリーグ

プレミアリーグはマンチェスター・シティが圧倒的な精度を誇っています。比率は低いながらも成功本数も2位で、ポゼッションの高いチームであってもロングボールを的確に織り交ぜることで打開を模索していることが明らかです。

ブンデスリーガ

ブンデスリーガ

ブンデスリーガは総じて成功率が低く、成功率が50%を超えるチームが4つしかありません。精度が高いのはやはりバイエルン・ミュンヘン。ロングボール比率と成功率は反比例する傾向がある中、ボルシアMGは両方とも低く、ショートパスで丁寧につなぐもののテュラムを使う以外のロングボールでの打開に欠けている状態です。

セリエA

セリエA

セリエAではフィオレンティーナが圧倒的な成功数と成功率を叩き出しています。ポゼッション率がセリエAで1位の63.3%である中でロングボールを多数成功させており、このチームから学ぶべきところは多そうです。

リーグアン

リーグアン

パリ・サンジェルマンはロングボール比率が欧州で最も低いチームですが、それと同時に欧州で最も成功率の高いチームでもあります。

欧州5大リーグ ロングボール成功数トップ20

上の表は、欧州5大リーグにてロングボール成功数トップ20のチームにおける成功率ランキングです。チーム名左の値は成功数のランクとなり、欧州でもロングボールの使用機会が多いチームに絞っての成功率を表したランキングとなっています。
欧州でみてもマンチェスター・シティが非常に精度の高いロングボールを駆使していることがわかりますが、フィオレンティーナがそこに肉薄する精度と圧倒的な成功数を誇っています。
オセール、ボーフム、ヴォルフスブルクはロングボール比率が高い中でも一定の精度を保って活用していますが、リーグ戦は14位、18位(最下位)、16位と振るっていません。

ロングボールをメインにしているか、ショートパスをメインにロングボールを織り交ぜているかはチームによるところですが、総じて後者の方が高成功率の傾向にあります。
バイエルン・ミュンヘン、レアル・マドリード、パリ・サンジェルマンは非常に比率が低い中で高い成功率を記録しており、ショートパスの中で必要に応じてロングボールを駆使していることがうかがえます。

これらはあくまで成功数・失敗数の「データ」で見るロングボール戦術となります。ただしデータの数字だけにとらわれるのは危険です。
リーズやウニオン・ベルリンなどはロングボールのセカンド回収、もしくはセカンドを拾った選手へのプレッシングに注力しており、何をもって成功とするかはそれぞれで曖昧です。どういったシチュエーションでどこへ向かう、どういう向きのボールなのかも把握しきれません。
そのためロングボールの精度が高いからと言って一概にロングボール戦術に長けているとはいえません。タイトルとは矛盾していますが、今回はデータだけ見た形で定義しております。

また今回の場合はリーグ戦のみのスタッツとなります。各国リーグに色があり、試合数も6試合ということで対戦相手によってムラが出ている状態です。(※ある程度経過したらまた集計する予定です。)
そのため、こういったデータはあくまで参考であり、実際にチームのスタイルや展開されている内容を見てみないことには実態はわかりません。
「精度が高い」という点でいえば間違いありませんが、「ロングボール戦術に長けているか」という点はセカンド回収や配置的な面からも検証が必要であり、一概に言うことは絶対にできません。データはあくまで参考や根拠。実態は見なければわからない。そこがサッカーの面白いところでもあると思います。
フィオレンティーナもナポリやユベントスを相手にしたというのもありますが、リーグ戦1勝2分3敗で11位と芳しくありません。
ロングボールが的確に使われていないのか、ゴールにつながるプレーとなっていないのか、リスクとリターンが見合っていないのか、別に問題があるのか、といった形で注目すべき視点を与えてくれるのがデータの良いところのひとつです。

ということで、マンチェスター・シティとフィオレンティーナをはじめとしたスタッツ上位チームのロングボール活用法に、様々な視点から注目していきましょう。

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とんとんさん、ありがとうございました!

今回はいつもとは少し趣向を変えて、ロングボールという切り口で欧州リーグを分析していただきました。いかがでしたでしょうか?


こちらのnoteでは、今後もとんとんさんにご協力いただきながら、欧州各国リーグの戦術分析をお送りしていく予定です。よろしければぜひフォローをお願いいたします。

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それではまた!


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