【セミナーレポート】サッカーの分析とプレーモデルとは〜概要から作り方まで解説〜(前編)

こんにちは。

今回は、RUN.EDGEが定期開催しているオンラインセミナーにご参加いただいたモリモトソウさん(Twitterはこちら)にセミナーレポートを書いていただきました。

レポートいただいたのはこちらのセミナーです。

プレー分析が学べるセミナーとは?オンラインでどうやって学べるの?そんな疑問に答える内容となっております。ぜひご覧ください。

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今回は、セミナーレポートということでその中でもプレーモデルの概要について解説をしたいと思います。

解説をしてくださったのは、現在ジェフユナイテッド千葉のU13の監督を務めていらっしゃる飯野大造さんです。

早速、見ていきましょう。

そもそも分析とは

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この記事をご覧になっている皆さんは、サッカーにおける戦術やその分析に興味がある方がほとんどだと思います。

さて、皆さんに一つ質問です。
分析とはなんだと思いますか。
例えば、「一連のプレーを見てその良し悪しを考える。」「チームをより良い形にするための一つの手段」など、考え方の切り口を含め人によってかなり答えが分かれてくるかと思います。

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このセミナーでの分析とは、「注意を向ける対象が変わることで、見えるもの、見えていないものが出てくる」ことであり、「何を」「どのように」見るかを伝えるということです。

さらに言い換えると、すべての情報を見て処理することはできないので見るべき場所とポイントを絞って伝えてあげることです。

例えば、日常生活において家でご飯を食べようとなった際に箸が出ていないことに気づき取りにいったものの、実はお茶も出ていなかったのを箸を出してから気づいたなんてことを経験したことがあると思います。

これも似たようなもので、食べるために必要であった箸に注意を向けていたが、それが解決したことで、今度は喉を潤すものが必要と別の対象に注意がいったことで起こります。
なかなかこれを一発で解決できないことってありますよね。

このように実は、視野の中でこの二つは同時に入っているが一気に全てに気づくことができない。そのため、見るべきポイントをあらかじめ伝えてあげる。

この例えの場合であれば、箸とお茶が出ていないことがあるので、自分が箸を、子供にはお茶が出ているかを見て欲しいと伝えることで自然と食卓に必要なものが一発で揃う確率が高まります。

さて、少し余談が過ぎましたが指導者の方には、この考え方のフレームワークはぜひ自然に口から出てくるくらい身につけて欲しいものになります。

指導者にとって戦術の分析を行う上での、目的は選手に還元しより良い結果を残すことです。これはどの年代の指導においても変わりません。もちろんプロであってもです。

ここでいうより良い結果とは、プロであれば試合で勝つことはもちろんジュニア世代であれば選手がよりサッカーが上手くなること、に該当すると思います。

ぜひ上手く分析について、言語化ができていない方はこれを機に分析ということを捉え直してみてはいかがでしょうか。

また、数値に惑わされないことも大切になってきます。
その数値にある背景、文脈も常に考慮してみてあげることが必要です。

例えば、プロで1試合14kmを走る選手がいたとしてこの選手がいい選手かどうかというと判断はできません。

これは、相手チームにボールを回されてただ走り回っているかもしれないし、自分が守るべき場所からよく離れてしまう動きすぎる選手といった可能性もあります。

あくまで数字は数字として捉え、背景からこの数字の意味も含めて掘り下げて理解をしてあげることが必要になってきます。

チームでの分析とその種類

プレーモデルとは

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さて、ここからが本題となるプレーモデルです。

プレーモデルとは、一言で表すと、監督が定めるプレーのガイドラインになるものだと私は理解しました。
(ここは実際に一言で表すのは難しいと飯野さんは仰っています。)

つまり、プレーモデルがこれといったものが決まっているのではなく、プレーモデルを構成しているものを分解していくことが必要になります。

その上で、それぞれの構成要素を一つずつ決めていくという形です。

プレーモデルを決めるメリット

プレーモデルを定めることで、選手はプレーの向上はもちろん、選択が明確になるだけでなく、指導者側が求めるプレーがわかるようになり、一方で、監督にとっては、選手の評価や求めるスキルが明確になることや試合中での修正などが非常にスムーズになります。さらにコーチたちの間でも、指導するガイドラインとして機能するため設定をしておく必要があります。

一方で、プレーモデルを定めることで選手の創造性を奪ってしまうのではないか、という考え方の方もいらっしゃるのではないでしょうか。

しかし、セミナーでは飯野さんは「プレーモデルを決めた上で、やるべきことを理解しているからこそ創造性が発揮されるもの」と解説しています。
型破りは、型を理解しているからできるものであるということです。

プレーモデルの作成方法

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プレーモデルは、図のような様々な要素をすべて考慮して決定されます。

そして、今回はその中でも
5.プレー局面
6.プレーの原理原則
7.組織化・構造化

に掘り下げて解説を進めています。 

プレー局面

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プレー局面は、図の4つの概念が大事になります。
それでは、見ていきましょう。

①2つの局面

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ここは、みなさんがサッカーを観ている時にまず想像をするものだと思います。
どのように攻めて、どのように守りたいか、というところであり、チームが行なっている戦術を一言で表したものです。

セミナー内でも飯野さんが、仰っていたことですがサッカースタイルのどれが良い悪いというものではなく、あくまで一つのタイプであるということも付け加えたいと思います。
(よくその昔シャビがアンチフットボールだと、度々批判していた時期がありましたが。笑)

②4つのモーメント

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4つのモーメントは、
図の通り、この4つに分けられます。
1.組織攻撃
2.守備への切り替え
3.組織守備
4.攻撃への切り替え

先ほど、局面では攻撃と守備の2つに分けられましたが、モーメントは攻撃の守備に切り替わる瞬間も含めたものになり、
マンチェスターシティで例えると、
組織攻撃(ボールを保持してパス回し)
守備への切り替え(ボールロスト)
組織守備(即時奪回用のプレス、ブロック守備)
攻撃への切り替え(ボール奪取)

といった形になり、よりサッカーで大事な流れも加味したものとなります。

当然、試合中にボールを失うことも奪うこともあるので、どういった試合をデザインしたいかというところに当たります。

前編は、ここまで!

後編では、プレー原則の残り2つと実際にFL-UXを使ってプレーの解説を行いますのでお楽しみに!

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いかがでしたでしょうか。

弊社では、今後もこのようなセミナーを定期開催してまいります。お知らせは弊社noteや弊社Facebookにてさせていただきますので、ぜひフォローしてください。

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それではまた!


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