
「鳥の眼」で観るUEFAチャンピオンズリーグ〜シメオネ率いるアトレティコ・マドリードのワンポイント戦術分析〜
こんにちは!
本日はとんとんさん・RUN.EDGEコラボ企画『「鳥の眼」で観るUEFAチャンピオンズリーグ』シリーズとして、2月24日に試合を控えたマンチェスター・ユナイテッド、そしてアトレティコ・マドリードの戦術分析を行っていきます。
マンチェスター・ユナイテッドに続き、今回はアトレティコ・マドリードの戦術分析をお送りします。
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昨シーズンのリーガ王者が波に乗れていない。3-1-4-2、4-4-2のいずれにおいても昨季から見えていた課題の部分のみ浮き彫りとなっている状態だ。
守備

◆3-1-4-2、4-4-2のいずれにおいても2トップが採用されているが、2トップで2CB+アンカーを見ることができなくなったのが守備の機能不全の最たる原因。カバーシャドウでアンカーを消す守備がほとんど見られなくなった。
◆2トップの脇からの進出を頻繁に許している状態。5-3-2で守る際、中盤3枚と2トップにおける五角形の内側をプロテクトできていない。ここを許すことで2トップは戻り、IHは中に釘付けにされ、アンカーは前進してアプローチをかけにいく。そのため敵CB、サイド、DFと中盤のライン間が大きく空くことに。
◆アンカーが五角形の内側をカバーすべく前進すると、ロングボールをDFが弾いた際にセカンドボール回収役が不在となる。IHはサイドのケアに出ることもあるためセカンド回収を含むアンカーの負担がそもそも大きいものとなっている。
◆相手のオーバーラップに対して中盤とDFで、縦のマークの受け渡しに乱れが生じている。中盤もDFラインに吸収されることで、ゴール前で弾いてもセカンドボールが拾えない。
◆守備で押し込まれ、ロングボールのセカンド回収も後手に回るため、効果的なカウンターが生まれにくい。
◆4-4-2においても2トップの守備問題を発端に、同様の現象が起きている。21試合終了時点で既に失点数は26に達し、昨季リーグ戦38試合の失点数25を超えている。
◆スピードを活かしたレマルのプレッシングは、的確にパスコースを消せているシーンも多く、ボール奪還のトリガーとなりうる。
攻撃
◆縦に急ぎすぎる傾向が見られる。昨季ほど3バックとコケでボールを回す余裕が見られない。
◆昨季から攻守にわたってアンカーのコケへの負担が大きかったが、彼のサポートを行うサウールの退団、楔を打ち込むサビッチの離脱も影響。
◆昨季のコケは自身で前を向いてプレーするというよりも、周りの選手に楔を打たせるための囮、もしくは引き付け役としてビルドアップにおいて好パフォーマンスをみせていた。対して今季は前を向いて打開しようという傾向が強く、攻撃のテンポを悪い意味で上げてしまっている。
◆中央のエリアで背後をとる選手と、敵中盤とDFのライン間で受けるがバランスよく存在していた昨季に比べ、今季は背後をとる動きが減っており、そもそも中央に人がいないという状態も見受けられる。また、後方で安定したパス回しが行われていないため、効果的に背後をとるためのボールが供給しにくい状態という悪循環に陥っている。
◆グリーズマン、クーニャの加入により、前線の選手層は非常に厚くなっている。昨季のような連携を取ることができれば爆発する可能性を秘めており、シメオネの手腕が問われる。
◆昨季から引き続きコレアが前線のキーマンとなっており、リーグ戦8G4Aと数字としての結果も残している。
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とんとんさん、ありがとうございました!
ぜひ続けて、2月24日に初戦を控えているマンチェスター・ユナイテッドvsアトレティコ・マドリードのマッチプレビューも見てみてくださいね。
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それではまた!