「鳥の眼」で観るUEFAチャンピオンズリーグ〜【攻撃的フットボール】テンハーグ・アヤックスのワンポイント分析(前編)〜
見出し画像

「鳥の眼」で観るUEFAチャンピオンズリーグ〜【攻撃的フットボール】テンハーグ・アヤックスのワンポイント分析(前編)〜

FL-UX_Realtime Analytics by. RUN.EDGE Limited.

こんにちは!

とんとんさんと弊社のコラボでお送りさせていただいている『「鳥の眼」で観るUEFAチャンピオンズリーグ』。今回は、明日2月24日にベンフィカとの闘いに臨むアヤックスのワンポイント戦術分析をお送りします。

今回は前編・後編に分かれておりますので、ぜひ続けてお楽しみください。

================================

アヤックスがCLベスト4と大躍進を遂げたのは3年前の18-19シーズン。ツィエフがチェルシー、ファン・デ・ベークがマンチェスター・ユナイテッド、フレンキー・デ・ヨングがバルセロナ、デリフトがユベントスへと旅立ち、当時と変わらず先発に名を連ねるのはブリント、マズラウィ、タディッチのみ。内二人は起用ポジションが変わっている。

そんな中、当時から変わらず指揮を執るのはオランダ人監督テンハーグ。彼の元でアヤックスが再び魅力あるサッカーを展開している。CLグループリーグでは全勝でドルトムントを退け首位通過。国内リーグではロジャー・シュミッド率いるPSVを抑え21節終了時点で首位に立っている。失点数はたったの5だ。

今回は魅力的な攻撃サッカーを展開するテンハーグ・アヤックスの戦術を紐解いていく。

基本布陣

基本布陣は4-3-3。左IHフラーフェンベルフの位置取りによって4-2-3-1にも変化する。

チームのスタイル

アヤックスの攻撃は、左はポジションチェンジを交えた攻撃、右はこのチームで最も独力での打開を期待できるアントニーの個人技を生かしたややシンプルな攻撃が行われる。いずれも丁寧にパスをつないで前進していくのが特徴だ。ボールを奪われると近い選手からプレッシャーをかけていくが、後方の選手の残し方に懸念がある。

守備は4-3-3で前線からプレッシングをかけていくスタイルだ。プレッシングはスピードによるものではなく、SHによる攻撃方向の限定をトリガーに中盤の3人が敵の中盤をマンツーマン気味に捕まえて囲い込んでいくタイプのものとなっている。

守備戦術

高い位置からのプレスが守備の基本となる。敵CB間のパスをトリガーに、逆SHが果敢にCBとSBの間に入りCBに寄せられる位置をキープする。そうすることでCB間でのパスを防止し攻撃方向に制限をかけ、中盤の3枚がマンツーマンで中央をプロテクト、サイドに誘導して仕留める形だ。

スピードに頼らず、サイドの限定と相手のシステムに柔軟に噛み合わせるマンツーマンで追い込むスタイルであるため、無理のないプレッシングが可能となっている。これにはSHが勇気をもって高い位置をとる必要がある。仮にSHの背後を突かれる形となった場合はアンカーとSBが中心となり攻撃を遅らせ、味方をゴール前に帰陣させる。

SHを中心に攻撃方向の限定ができているためDF陣のスライドもスムーズに行われている。するとカバーリングが利きやすくなるためCBも積極的にパスカットを狙うことができる。

高い位置でボールを奪取できればショートカウンターでゴールに迫っていく。

◆弱みを見せるリスク管理
アヤックスはボールと反対サイドのSBがハーフスペースへと絞ることでセカンドボールの回収役を担い、積極的にミドルシュートも狙っている。ボールサイドのSBも前進していき、アンカーのアルバレスもサポートポジションをとるために前進する傾向が強い中、カウンター対応に脆さを見せている。ただでさえ後方の人数が4人(2CB、アンカー、逆SB)と多くない中で逆SBとアンカーのアルバレスがやや高めに位置するため、2CBのみでカウンターに対応するシーンも少なくない。この部分はアヤックスにとっての大きな懸念材料となっている。逆IHはハラー同様にゴールを狙うスタイルであるためリスク管理上計算できず、押し込んだ後の逆SBとアルバレスの攻撃タスクを緩めることでバランスとしては向上が見込める部分である。

攻撃

アヤックスは世界で最もクラブ哲学の浸透したチームの一つだ。「このシーンではここにパスを出すべきだ」という意識を全員が外さずに共有されているため、スムーズにパスが回っていく。低い位置からサイドを起点にゆったりと丁寧にパスをつなぎゴールに迫るのが彼らの攻撃スタイルだ。そんな彼らの攻撃戦術を見ていく。

まず、今季のアヤックスのDF陣のビルドアップ能力は恐ろしく高い。ハーフスペースに絞って攻撃を組み立てるマズラウィ、驚異的な技術の高さを誇りドリブルで持ち出すことのできるティンバー、正確な左脚のフィードを持つマルティネス、狭い隙間を縫う楔を打ち込めるブリントで構成されている。

攻撃陣形は4-3-3がベースだ。左IHのフラーフェンベルフの位置取りによっては4-2-3-1とも捉えることができる。右IHのベルハイスは常に高い位置をとり左のフラーフェンベルフもアンカーのサポートが多くないため、IHがビルドアップに関わる機会は少ない。このアンカー脇のエリアのサポートは両SBが担うこととなる。特にマズラウィだ。両SBが組み立てで貢献できるタイプであるチームは世界的に見ても現状そう多くないだろう。アヤックスではブリントとマズラウィの両SB、そして左IHのフラーフェンベルフがポジション移動によって起点を作る役割を果たしている。

◆右サイド攻撃

マズラウィはビルドアップ段階で偽SBとして絞る傾向が強い。絞るタイミングは「左CBのマルティネスがボールを持った時」が多い。当然敵の守備が中央に固まっている場合は外に開いている。

マルティネスがボールを持つ場合、ティンバーが斜め後方にサポートポジションをとる。そこに相手が食いつけば、空いたスペースに顔を出してボールを受けることができる。DF陣だけで三角形を作るのだ。仮にマズラウィに注意が行けば、卓越したボールスキルを持つティンバーがドリブルで前進することも可能となる。右WGのアントニーはサイドに張った状態でいることが多いため、マズラウィのポジションとのバランスが取れている。敵SHが中を警戒すればティンバーからマズラウィへのパスコースが出来上がる。マズラウィがハーフスペースから本来の位置に降りる動きを見せ、それに敵SHが食いついてくれば、アントニーだけでなくIHのベルハイスへ、CB陣から中央を抜くパスを送り込むことも可能となる。

アントニーに送り込まれた場合、彼は単騎での突破も可能だが、ベルハイスが落としのパスを受ける準備を行っている。ベルハイスはワンタッチパスを得意としており、ワンツーの壁役としてアントニーと連携をとる。アントニーがトラップしてボールを収めればSB背後への抜け出しも可能だ。

21歳のアントニーはチームで最も個人での打開が期待できる選手だ。テクニックとアジリティを活かしたドリブルは外にも内にも進出することが可能だ。ボールが足元に出てくればドリブル突破が選択肢に入るためマーカーは予め距離を詰めようとするが、その瞬間を逃さずに背後に抜け出すこともできる。パス交換も得意で先述のサイドを限定する守備も無難にこなすことのできる今後要注目のタレントだ。

その他左IHのフラーフェンベルフは19歳、右CBのティンバーは20歳と若手の活躍が光っている。

================================

とんとんさん、ありがとうございました!

ぜひ後編も続けてお楽しみください。

また、とんとんさんのマガジンには、CL決勝出場の他チームの分析も掲載しておりますので、ぜひ見てみてくださいね。


世界中のアナリスト、コーチも使っている映像分析ツールFL-UX(フラックス)の詳細情報はこちら。

簡単な操作で誰でも簡単に始めていただけます。30日間無料トライアル(クレジットカード登録不要)もございますので、ぜひチェックしてみてください。

それではまた!


みんなにも読んでほしいですか?

オススメした記事はフォロワーのタイムラインに表示されます!
FL-UX_Realtime Analytics by. RUN.EDGE Limited.
サッカー、バスケなどのスポーツの戦術分析を中心に発信します。 映像分析ツールFL-UX(フラックス)の製品情報は下記サイトから (サッカー)http://fl-ux.run-edge.com (バスケ)https://basketball.fl-ux.run-edge.com/