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【バイエルンとの違いは?】圧倒の理由。リヴァプールvsビジャレアル~前編~
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【バイエルンとの違いは?】圧倒の理由。リヴァプールvsビジャレアル~前編~

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こんばんは!

さて、本日は、いよいよ大詰となった欧州CLの準決勝、リヴァプールvsビジャレアルのマッチレビューをお送りしたいと思います。著者はおなじみ、とんとんさんです!

1stレグ、2ndレグで前編、後編に分けてお送りしますので、ぜひ続けてお楽しみください。

それでは、早速お願いいたします!

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★★★1stレグ★★★

バイエルン・ミュンヘンを破る大金星を挙げたビジャレアルと、優勝候補に挙げられるリヴァプールの対戦となったCL準決勝。
アンフィールドで行われた1stレグは2-0という結果以上に、終始圧倒的なリヴァプールペースで試合が進んだ。

ビジャレアルは準々決勝アリアンツアレーナでのバイエルン戦同様、低い位置にブロックを敷いて粘り強く耐える方針を採用。ただし、アンフィールドでは効果的なカウンターを繰り出すことはできず、シュート1本に抑えられてしまった。ではリヴァプールとバイエルンで、戦い方にどういった差異があったのだろうか。

カウンターを防止できた理由は、糸口さえ掴ませないほどにビジャレアルを押し込んだことにある。では押し込めた要因は何だったのだろうか?
それは
①遠距離攻撃(サイドチェンジ、ハーフスペースクロス)による少人数での攻撃の完結
②チャンネルへのランニングに対するビジャレアルの対応
③CFで起用されたマネのプレスバック、ファビーニョによるフィルター
となる。

■遠距離攻撃とチャンネルケア

バイエルンは攻撃にかける人数が多く、ショートパスとポジションチェンジが多く複雑な構造となっている。ボールを奪われた直後のプレッシングは非常に素早いが、陣形自体は崩れていることもしばしばだ。
対するリヴァプールはよりシンプルに少ないパス数でゴールに迫ることが可能となっている。なぜならリヴァプールには遠距離攻撃という選択肢が複数存在するからだ。

左後方に落ちるチアゴ・アルカンタラによる逆サイドWGサラーへの対角サイドチェンジと強烈なミドルシュート、ロバートソンとファビーニョによる同じく対角サイドチェンジはその代表的なものだ。これらはビジャレアルのスライドやライン、視野や身体の向きの乱れを誘った。守備側に「最悪ゴール前を固めて失点を防ごう」という心理が働き、より敵陣深くに押し込むことに成功した。チアゴに関してはアジリティとキープ力、ボディフェイクを駆使してビジャレアルのアプローチを空転、単独で押し込みに貢献した。

そして最も効果を発揮し、よりゴールを脅かした遠距離攻撃が、サラーとアーノルドによるハーフスペースからのクロスだ。
サラーとアーノルドは大外とハーフスペースというお互いの立ち位置を固定せず、頻繁に入れ替える。このコンビにIHのヘンダーソンが加わることで、ビジャレアルのSBエストゥピニャン、CHパレホ、SHコクランを混乱に陥れた。

基本的にリヴァプール右サイド3人の配置はハーフスペースの前後で2人、大外1人が立つ形だ。ハーフスペースからクロスを上げるためには、そのエリアから相手を排除する必要がある。これに一役買ったのがヘンダーソンだ。彼はボールに触れる機会自体は多くないものの、ランニングで敵をひきつける力と、配置的なバランスをとる力に長けている。

例えば大外サラー、ハーフスペース高めにヘンダーソン、低めにアーノルドという配置である場合、ヘンダーソンはサラーのカットインを活かすためにチャンネルもしくはサイドに回ってオーバーラップする動きを見せる。チャンネルに抜ける際、ビジャレアルはCHパレホとSHコクランが共にチャンネルをカバーするような立ち位置をとるため、サラーのカットインのコースを塞ぐ選手がいなくなる。効果的なサイドチェンジにより、スライドを乱されてチャンネルが大きく開いている点も見逃せない。オーバーラップする際も同様であり、かつヘンダーソン自身がフリーになる可能性も生まれる。先制点となったゴールはまさしく彼がフリーの状態で迎えたチャンスであった。チャンネルはマネとロバートソンも度々侵入している。マネはロブパスを受ける形であり、そのままポストプレーに持ち込むことができる。ロバートソンが侵入する場合は右サイド同様ビジャレアルのチャンネルケアの粗を突き、左WGのルイス・ディアスがカットインからチャンスを生み出すことを可能にした。

アウェイ・バイエルン戦同様守備に徹するビジャレアルにとって、連携ミスでチャンネルに侵入されるよりも最終ラインの隙間を埋め、ゴール前を確実にプロテクトする方が安心であったと考えられる。これにより中盤のラインが弱くなりカットインに対応できなくなったビジャレアルは、2トップも低い位置に戻ってカバーをする動きを見せた。こうしてリヴァプールはビジャレアルの2トップをもゴール前に釘付けにすることに成功したのだ。
チャンネルこそカバーしたビジャレアルだが、サラーのカットイン、低い位置で待機するアーノルドからあげられるDFライン背後へのクロスは世界でもトップの精度を誇り、いくつものピンチを迎えることとなった。
リヴァプールのクロスは低めの位置からDFライン背後に落とすようなボールとなる。そのためDFとしては戻りながらの対応となるため強く弾くこと、オウンゴールにならないよう処理することが難しい。マーカーを視野に捉えるのも至難の業だ。DFライン背後に落とすのであればターゲットには高さよりも抜け出しの技術が求められる。この部分も、高さと人数を活かすバイエルンとの違いだ。リヴァプールはゴール前にかける人数が少なくて済むため、カウンターのリスク管理に人員を割くことができる。

■マネとファビーニョ

クロスのターゲットとして機能したマネのCF起用は、カウンターを未然に防ぐプレスバックの面でも効果を発揮した。ビジャレアルは大いに押し込まれた状態であるため、カウンターに持ち込むのに時間がかかる。ボールホルダーが出し先を探す間にマネによるプレスバックが発動し、あっという間にリヴァプールの攻撃に戻ってしまうのだ。

マネのプレスバックを嫌がり、前線の準備できてない状態ですぐにパスを出すと、アンカーのファビーニョが前進してボールを狩りとる。攻撃の芽を摘むのが抜群に上手いファビーニョにとって、ボールの出し先が制限されている状態での予測とボール奪取は造作もなく、何度も前進してはカウンターの希望を砕いて見せた。このフィルター役の存在はバイエルンに無いものであるといえる。
もたつけばマネに狩られ、急けばファビーニョに狩られる。前後からボールを狩り取る彼らの守備は、ビジャレアルを圧倒する大きな要因の一つとなったのだ。
サイドチェンジを用いたチャンネルの開放→クロスを用いた少人数での攻撃→被カウンター局面での囲い込みといったように、各局面がシームレスにつながり相乗効果を生み出すことができるのはリヴァプールの強さの秘訣であるといえる。

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とんとんさん、ありがとうございました!

ぜひ後編も続けてお楽しみください。

また、著者とんとんさんがご自身で運営されているブログ「サッカー戦術分析 鳥の眼」もぜひチェックしてみてくださいね。

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それではまた!

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