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【反撃のvs4-3-3プレッシング】タイスコアへ。リヴァプールvsビジャレアル~後編~
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【反撃のvs4-3-3プレッシング】タイスコアへ。リヴァプールvsビジャレアル~後編~

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こんばんは!

さて、前編に引き続き、今回もとんとんさんによる欧州CL準決勝リヴァプールvsビジャレアルのマッチレビューをお送りしたいと思います!

後編の今回は、5月4日に行われた2ndレグのマッチレビューです。

それでは、早速いってみましょう!

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★★★2ndレグ★★★

1stレグとは打って変わり、2ndレグはビジャレアルのペースで試合が進み、前半のうちに合計スコアがタイに戻された。

その要因となったのは、なんといってもビジャレアルのプレッシングである。

■ビジャレアルのプレッシング

2トップが2CBを捕まえ、CHのパレホがアンカーのファビーニョにマンマーク気味につく。ボールサイドのSHはSB、ボールと反対サイドのSHはIHにつく4-3-1-2のような形でプレッシングを行った。
パレホが前進することで空いてしまうカプーの脇のスペースで受けるマネに対してはCBのアルビオルとパウ・トーレスが前進してケア。これによりDFラインにギャップができないよう、他のメンバーが絞って対応した。このDFラインの連携はプレッシングにおける重要ポイントとなる。
リヴァプールのシステムにマンツーマン気味にかみ合わせてプレッシングを行うビジャレアルに対し、リヴァプールは有効な打開策を持たなかった。1stレグのアドバンテージを活かし、無理につながずにロングボールを選択することとなった。

■イレギュラーとなったディア

1点、イレギュラーとなったのはダンジュマの代わりに起用されたCFディアだ。彼はGKアリソンへのプレッシャーのタイミングと方法がはっきりしなかった。もう一人のFWモレノがプレッシングをかけるタイミングで同じようにかけてしまう、通常右CBのコナテを切るようにプレッシングを行うが、コナテを切り切れていない等だ。

そうなった際ボールを運ぶことのできるコナテは開き気味にポジションをとり、ディアのプレッシングを浴びる前に前を向いて展開を模索することができる。
プレスを回避するという意味では良い傾向であったといえるが、1stレグのアドバンテージを活かし、リスクを冒さないという点では別の見方ができる。コナテが運んだ場合、前線のメンバーはマークにつかまっている状態であり、ディアが遅れてプレッシングをかけることで時間の余裕もさほどない状態だ。コナテが開いたことで空く中央のスペースに関してはファビーニョやチアゴが埋めようとする場面も見られたがはっきりとせず、大きなギャップができてしまうケースが見られた。リヴァプールのDFラインはカバーリングの意識がそれほど高くないため、空いたギャップはそのままとなり、ビジャレアルの攻撃の狙いどころのひとつとなった。
高さとスピードを最大限活かしたバイエルンほどロングボールでの展開を駆使できないリヴァプールは、有効な手立てのないままビジャレアルのプレッシングでボールを失い、攻撃を受けることとなった。

■ビジャレアルの攻撃

ビジャレアルの攻撃はリヴァプールからボールを奪ってから仕掛ける「速攻」でチャンスを生み出していった。

攻撃においてポイントとなるのはSHコクランとロチェルソの位置取りだ。二人は幅をとることをせず、アンカー・ファビーニョの脇に侵入した。前方に2トップが位置するためCBのファン・ダイクとコナテは前に出られず、モレノはサイドへ、ディアはチャンネルを狙うためSBも迂闊に前に出られない状態を作り出した。SHは共に細かなパスワークに対応でき、特にロチェルソはドリブルも得意としており、アンカー脇で輝きを放った。

SHとFWの入れ替わりはビジャレアルの得意とするところであるが、リヴァプールのプレッシングのスピードの影響もありリーグ戦でみせる3-2-4-1への変形は見られなかった。
CBを前進させないよう、FWは適宜流れるもののベースは中央でのポジショニングとなる。その際、SHと入れ替わるように幅をとり2アシストを記録したのが右CHのカプーだ。

左SBロバートソンにとってロチェルソ、モレノ、カプーの誰のマークにつくかというのは大きな問題であった。3列目から流れて上がってくるカプーに対して、当然前線のメンバーは対応することができず、フリーとなる可能性が高い。ビジャレアルにとってはリスクのあるプレーにも見えるが、ビハインドの状態と中央の厚みを考慮してとった選択で、大いなる成果を得た。
フィジカルの強いカプーはキープ力を活かしてリヴァプールのプレスを回避する、セカンドボールの奪い合いで競り勝ち、狙いとしていた速攻につなげる等、この試合のベストプレイヤーであったといえる。
後半10分間ほどは、前半同様プレッシングをかけていたビジャレアルであるが次第に足が止まり、リヴァプールの攻撃を受ける機会が増えていった。
そんな中で防ぐことができなかったのがリヴァプールの1点目、ファビーニョのゴールだ。通常低い位置に立つ彼はボール奪取の流れでチャンネルへと侵入した。1stレグでは過剰なまでにケアをしたこのエリアだが、この瞬間は誰も対応することができなかった。低い位置から上がりフリーとなる動きはカプーのアシストを彷彿とさせるものであった。

■リヴァプールの変化

ビジャレアルのペースが落ちたこと以外にプレッシングを掻い潜ったポイントとなったのはサラーの位置取りだ。

サラーはこの試合、基本的にサイドにポジションをとっていたが、後半時間が経つにつれハーフスペースにポジションを移すようになった。ビジャレアルはこれまで中盤とのライン間の選手に対してCBの片方が前進し、もう一方がCFを見る形をとっていたが、サラーが中央に寄ることで、2CBでCFとサラーを見る必要が出てくるため中央が数的同数となり前進してライン間の選手を潰すことが難しくなった。
この状態で中盤とのライン間にIHのケイタが入り込むことでプレス回避の出口となった。リヴァプール2点目のゴールは1stレグでも脅威となったアーノルドによるハーフスペースからのクロスであるが、その直前にあっさり中盤とのライン間を破られる厳しい状況が生まれていた。
ビジャレアルの試合運びは素晴らしいものであったが、後半にひっくり返してみせたリヴァプールの勝負強さが勝ることとなった。

■おわりに

バイエルン・ミュンヘンを破る大金星を挙げベスト4まで進出したビジャレアルは、2試合を通してのゲームプランがはっきりしていた。リーグ戦では高いポゼッション率を誇る彼らが、リヴァプールとの2試合は低い位置での守備ブロックと高い位置からのプレッシングという2通りの守備戦術を見せた。明確なゲームプランと多様な戦い方を使い分けることのできる試合巧者ぶりが躍進の要因となった。
しかしリヴァプールはそれを凌駕する圧倒的な質の高さを見せつけた。マネのスピード、ディアスとサラーのカットイン、アーノルドのクロス、ファビーニョのカウンター潰し、チアゴのキープ力、コナテとファン・ダイクの対人守備・・・。得意の遠距離攻撃は、長い時間ビジャレアルを圧倒する助けとなった。
互いの強みを出し合い、持ち味の見られるレベルの高い好ゲームであった。

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とんとんさん、ありがとうございました!

ビジャレアルを下したリヴァプールは、いよいよ5月29日に行われる決勝戦でレアル・マドリードと対戦します。決勝の行方も楽しみですね!

決勝戦に関する記事も発信していく予定ですので、よろしければぜひこちらのnote、とんとんさんとのコラボマガジン『「鳥の眼」で観る欧州サッカー(by とんとん)』のフォローもお願いいたします!

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